
2025年度支部催事「つくばの魅力探究★研究学園ロゲイニング 」開催報告
研究学園を歩き、語り、焚き火を囲んだ一日。
ロゲイニングと青空円卓会議を通して見えてきたのは、
新しいまちだからこそ生まれる関わり方でした。
本ページでは、その取り組みと成果を振り返ります。
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歩いて、気づいて、焚き火を囲んだ日
研究学園ロゲイニングと青空円卓会議で見えた、まちとのちょうどいい関わり方

秋空の下、ロゲイニングと青空円卓会議が行われました。
11月下旬。少し空気が澄んできた頃、研究学園のテーダマツ保存緑地で、
人が集まり、歩き、そして語り合う一日がありました。
この日行われたのは、
研究学園エリアを舞台にした「つくばの魅力探究★研究学園ロゲイニング」と、
その流れで開かれた「青空円卓会議」です。
本企画は、地域側の取り組み(つくば市谷田部地区区会連合会・研究学園支部の2025年の催事)
とあわせて、筑波大学・芸術系(環境デザイン領域)藤田研究室とのコラボレーションにより構成されました。
学生とともに考え、つくり、実際のまちの中で試してみる——
そんな大学との連携も、この日の大きな特徴のひとつでした。
ロゲイニングでまちを歩き、
そのあと輪になって話をし、
最後は焚き火を囲む。
イベントとしては少し変わった構成ですが、
終わってみると不思議と、「こういう時間、いいな」と思える一日でした。

■ まずは、歩いてみる
ロゲイニングは、地図を頼りに制限時間内でチェックポイントを巡るスポーツです。
今回は研究学園エリアを舞台に、緑地や公共施設、地域に点在する場所が設定されました。
とはいえ、いわゆる“観光名所めぐり”とは少し違います。
何度も通っているはずの道、
見慣れているはずの風景のなかに、
「あ、こんな場所があったんだ」という小さな発見が混ざっていました。
説明が先にあるのではなく、
歩いたあとに気づきが残る。
そんな時間の重なり方でした。
新しいまちで、新しい関わり方を探る時間。

歩くことで、まちの見え方が少し変わっていきます。

学びと地域実践が重なる現場。
■ 会議室ではなく、青空の下で
ロゲイニングのあとに行われたのが「青空円卓会議」です。
第1部はパネル形式での話し合い、
第2部では焚き火台を囲んでの車座スタイル。
行政、市民活動に関わる人、学生、専門家。
立場はさまざまですが、
肩書きを強く意識するような空気はなく、
自然と話が行き交っていきました。
会議というより、
外で立ち止まって話をしている、
そんな感覚に近かったかもしれません。

■ それぞれの立場から見えた、研究学園
市長からは、研究学園エリアが
グリーンインフラや生物多様性の観点でも重要な地域であること、
そして、市民がまちに関わることで可能性が広がっていくという話がありました。
市民活動に関わる人からは、
新しいまちでは人や団体が出会うきっかけ自体が貴重であること、
だからこそ「ふらっと関われる場」が意味を持つという話。
区会の立場からは、
子どものころの楽しい記憶が、
将来そのまちをどう思うかにつながっていく、という実感が語られました。
学生の視点からは、
よそ者として関わるからこそ見えてくる、研究学園のつくり途中感や、
それを一緒につくっていける面白さについて。
森や樹木、環境に関わる専門家からは、
日常の近くにある自然が、
実は多くの人の手で支えられているという話もありました。

行政、市民、学生、専門家が言葉を交わしました。
炎を前にすると、言葉の温度も少し変わります。
■ まとめのようで、まとめきらない時間
この円卓会議では、
何か結論を出そうとしたわけではありません。
ただ、話を聞き、
自分の経験と重ね、
「なるほど」「そういう見方もあるんだな」と思う時間が続いていました。
新しいまちには、
まだ決まった物語は多くありません。
だからこそ、
歩いたこと、話したこと、
焚き火を囲んだ時間そのものが、
少しずつ積み重なっていくのかもしれません。
研究学園で行われた
このロゲイニングと青空円卓会議は、
まちとの距離が、ほんの少し近づくような一日でした。

まちの自然の中に設置された、気づきのためのサイン。

「あれ?」と思ってもらうための小さな仕掛け。
研究学園ロゲイニングと青空円卓会議|実施まとめ
■ 事業の概要
本企画は、つくば市研究学園エリアを舞台に、「グリーンインフラ」や「歩いて楽しいまち」を切り口として行われた取り組みです。
ロゲイニングでまちを歩き、その体験をもとに屋外で円卓会議を行うことで、地域の魅力や課題を立場を越えて共有することを目的としました。
研究学園エリアは、計画的に整備された新しい市街地である一方、地域の物語や交流の蓄積はまだこれからという側面もあります。
今回の企画では、そうした特徴を前提に、「教える・教わる」ではなく、「歩いて気づき、言葉にしてみる」体験を大切にしました。
■ 企画の構成
本企画は、大きく2つのプログラムで構成されています。
(1)研究学園ロゲイニング
緑地や公共施設、身近にありながら見過ごされがちな場所をチェックポイントとして設定し、参加者が地図を手に自由にまちを巡りました。
日常の風景を少し引いて眺めることで、「ここも地域資源なんだ」という発見が各所で生まれていました。
(2)青空円卓会議
ロゲイニング後には、テーダマツ保存緑地で青空円卓会議を実施しました。
第1部はパネル形式、第2部は焚き火を囲んだ車座形式とし、堅苦しさを和らげながら対話が深まる場を目指しました。
本企画は、地域側の取り組みに加えて、
筑波大学芸術系(環境デザイン領域)藤田直子教授の研究室とのコラボレーションとして実施されました。
学生が企画やサイン制作などに関わり、学びと地域実践が重なる場にもなりました。
■ 円卓会議で共有された視点
青空円卓会議には、五十嵐立青つくば市長、研究学園支部長、藤田直子教授のほか、
市民、学生、専門的な立場で地域に関わる人たちが参加しました。
市長からは、研究学園エリアがグリーンインフラを象徴する地域であること、
高架下や公共施設を「人が集い、育つ場」として活かしていきたいという考えが語られました。
地域活動の担い手からは、新しいまちならではのつながりづくりの難しさと、
気軽に関われる場の大切さについての実感が共有されました。
学生の視点からは、外から関わるからこそ見えてくる研究学園の魅力や、
ロゲイニングが地域理解につながる可能性についての声がありました。
自然環境に関わる専門家からは、
都市の緑が多くの人の継続的な関わりによって支えられていることが改めて共有されました。
■ 成果として見えてきたこと
今回の取り組みを通じて、
・地域資源が「知っている情報」から「実感のある存在」へと変わったこと
・立場の違う人たちが同じ場で言葉を交わせたこと
・新しいまちでも「関わりしろ」を感じられる場がつくれること
といった点が、参加者の実感として共有されました。
また、大学との連携により、学生にとっては実践的な学びの場となり、
地域にとっては新しい視点が加わる機会にもなりました。
■ 今後に向けて
ロゲイニングで歩き、円卓で語り合う。
その積み重ねが、研究学園というまちに少しずつ物語を増やしていくのではないかと感じられる一日でした。
今後も、こうした「歩く」「話す」「共有する」取り組みを続けていくことで、
地域への理解や愛着が自然に育っていくことが期待されます。

